Superb Garbages 2

千野純一(chinorin)のはてなダイアリーの続きです。

買ってよかった工具とか便利な部品なんかを紹介するぜ~

・突然だけど。

ワイヤストリッパ

・工作を始めて最初に感動した工具がこれ。安物なんだけどいい仕事をする。それまでは、ずいぶん前にファストン端子をかしめるために買った電工ペンチにおまけみたいについてるやつで剥いでて、これどうにかならんのか⋯⋯と思ってた。あのおまけみたいについてるやつどうにもならんよね。w

・まず恐竜の口みたいになってるところに剥きたいケーブルを差し込む。舌みたいなやつは前後に動かすことができて、ケーブルの先端をこれに当てることで、複数のケーブルを剥くときにその長さを統一することができる仕組み。

・把手を握ると口が閉じて唇の部分についている滑り止めのゴムでケーブルを固定し、その奥にある上下の刃で被覆に軽く切り込みを入れる。さらに力を入れると刃が噛んだまま奥へ動き、被覆だけを引っ張ってくれるというわけ。刃が噛む圧力は後頭部のネジで調節できる。

・初めてこれを使ってケーブルを剥いたとき、どうしてもっと早くこれを買わなかったんだという後悔のような複雑な感情に襲われた。何よりも優先するべき必需品である。

スミチューブ

・↑Amazonのを貼ったけど買ったのはこれそのものではなくて、パーツショップならだいたいどこでも売ってる。1mカット品が一番安いのはマルツオンラインではないかな?

・絶縁はもちろん、圧着端子の念のための締めつけ、バラバラした配線の大雑把な結束、汚くなった仕上げの隠蔽などにも大活躍のいわゆる熱収縮チューブ。俺はもうこれがないと生きていけない体になってしまった。

・透明/黒/赤/その他色違いと、Φ1/Φ2/Φ3/Φ5/Φ6/Φ8/Φ10/Φ12/Φ15/Φ20/Φ25などの径(たぶん外径)のバリエーションが存在する。ぜんぶ揃えよう!w

・「スミチューブ」は住友電工ファインポリマーの商標だが、主に他社製のやつであらかじめ便利っぽい長さに切ってあるアソートセットみたいなのもよく見かける。

・↑こんなやつ。なんかカラフルでいいよね。

ケミカルペースト こて先クリーナー

・こて先温度300℃くらいでこれをつけると、ジュッと煙が出た後、こて先がわざとらしいくらいキラッキラになって「ねえ、次のはんだづけはまだ? まだ?」とはんだごてが喋りかけてくるので、自分の統合が失調していることを痛感する昨今である。あるいは共晶はんだのフュームの吸い過ぎによる鉛中毒かもしれない。

・とにかく一瞬でこて先の状態がよくなって笑っちゃう薬品(っていうか中身は錫とフラックス、つまりはんだそのものみたいだが⋯)。へたくそな上にはんだづけをする環境も悪かったし(今は少し改善したが)、400度くらいのまま温度落とし忘れて放置したりするのも日常茶飯事であるため、もうガンガン使ってこて先はいつもキラッキラだ。ほんとはもっと、たまに使うようなものらしい。

・こういう態度についてはんだ職人の方々には怒られるだろうし、雑にやると数ヶ月先にははんだ不良が ⋯⋯っていうのを散々言われそうだが、そういうトラブルがいい感じに起きてくれないと趣味としては面白くないのよ、という反論を一応用意しております。でもバイクはホンダでした。*1

抵抗入りLED(5V用)

・微妙に売ってる店が限られる。秋月電子5mm3mm12V用と手厚い。今aitendoで扱ってるのはたぶん1種類のみ

・ブレッドボードとかでの実験時、信号が来てるかどうか見たいときなんかに単にブスっと刺せばいいのでめちゃ楽。実装するときは普通のを使うので、これは部品というよりほとんどテスタのたぐいであると言える。

いいニッパー

・雑にプラモデル作ってた頃に既に経験しているが、ラジオペンチは100円のでいいけどニッパーはいいのを使った方が捗る。俺は清水の舞台から飛び降りる思いで400円のを買った。金持ちかよ。

・なんかたまに7万円のニッパーとか売ってるのを見かけるけど、そういうのを使うともう念じただけで切れるんじゃないだろうか。

ワイヤラッピングツール

・AWG30用*2。抵抗やLEDの足みたいなのとかピンヘッダとかとにかく堅い針金状の端子にしか使えないんだけど、導線の剥いた部分を端子にくるくる巻き付けるための工具。このくるくる巻き付けるという手法は歴とした圧着の一種なんだそうな。実際、かなり堅牢な導通状態が得られる。くるくるするのでインダクタンス成分ができちゃうのが玉に瑕。

・例えばUSBシリアルの5つの端子の順番とかに関して、5連のピンソケットとピンヘッダを用意してその順番を確認しながらワイヤラッピングで繋いでスミチューブで締め付ければまあまあ立派な見た目の変換治具が簡単に作れる。接続を間違えてもその都度ほどけばいいし*3、はんだづけと違って健康を損なわないし、わりと重宝している。どうしてあんまり普及してないっぽいのかよくわからんと感じるくらいだ。

・なお被覆線には単線*4っていうのと撚り線*5っていうのがあって、ワイヤラッピングツールで簡単に扱えるのは単線の方。そのへんで普通に売ってるAWG30のはだいたい撚り線なので注意しよう。ワイヤラッピングするならちゃんと「WIRE WRAPPING WIRE」って書いてあるやつがおすすめですわ。撚り線でワイヤラッピングするのはマジでめちゃめちゃイライラするからやめた方がいいぞ!*6

・しかしこのワイヤラッピングツールってやつの仕組みはすんごい簡単でいくらでも自作できそうなもんなんだよなあ。そのうち色々試してみようと思っている。なんか後ろから線が供給されるのとか作れねえのかなあ。

その他よいもの

・以下、感動ってほどでもないけどまあまあ重宝してるものを適当に。

ピンバイス。ピンバイスって刃を交換できるやつが多いんだけど、それだと精度が問題になってくるのであんまり安いの買ったらだめだよなー、それならいっそのことと思って刃を交換できないやつを買った。たぶん正解。

テーパリーマ。ピンバイスのより大きな穴を開けたいときに使う道具。どうでもいい話:エンジニアって有名な工具メーカだけど、商品展開が面白くて一時期ひたすら動画見てたりした。ポンプラザウルスの至れり尽くせりさとか好き。

手持ちルーペ。↑これそのものじゃないんだけど似た形状でもっとちゃちいやつ。ICとかトランジスタとかに書いてある文字を読むのに使う。メガネ形状のやつも買ったんだけど、結局手持ちのやつをよく使うな。

ルーペ&LEDつきサードハンド。もっと使いやすいものがあると思うのでベストの選択ではなさそうだが、なんだかんだ言ってはんだづけの時には必ず使うし。1.27mmくらいは全然いけるけど0.65mmになるとこのルーペじゃ見えないので、USBマイクロスコープの購入も検討しているところ。1600円くらいで売ってるが品質は果たして⋯。

ヒートクリップ。はんだづけの際に素子をつまんで熱容量を稼ぎ、加熱による素子破壊を防ぐための道具⋯⋯なのだけれども、なんか大きさとか締める力とかが絶妙で、単に固定のために使うことの方が多い。2.54mmピッチのピンの間に入るのが本当に素晴らしいと思う。ピンヘッダをはんだづけするときにはこれが絶対に必要だ。

逆作用ピンセット。普通のピンセットの逆で、通常状態で閉じており、掴むと開く構造になってるやつ。これで細かい作業をすると脳がバグるので正しい用途ではあまり使いこなせていない。それでは主にどんなときに使うのかというと、ヒートクリップよりも弱い力で何かを固定したいときだ。w


・まーきりがないので今日はこのくらいで許したらぁ。

*1:ホンダに乗ってると、スズキ勢やカワサキ勢から「トラブルの起きないバイクなんてwww」とよくばかにされる。ヤマハはまだマシらしい。

*2:AWG:線材の規格。AWG30はΦ0.2546mm、SQで言うと0.05でかなり細い。

*3:上に貼ったラッピングツールは、右上の長い方をラッピングに使う。反対側はアンラッピングといって、一度ラッピングしたものをほどくために使う。基本的には手でも簡単にほどけるけど、端子のピッチがものすごく狭いときとか、これを使った方が楽なときがある。

*4:単線:被覆の中に導線がたった1本入っているタイプのケーブル。

*5:撚り線:よりせんと読む。被覆の中に例えば7~15本くらいの細い線が束ねて入っているタイプのケーブル。

*6:撚り線でワイヤラッピング:剥いた導線を細い穴に通さなきゃいけないんだけど、撚り線だとその撚ってある線をぜんぶ同時に入れなきゃいけないのに、ねじりにねじって水を含ませたりなんだりしてみても、必ず1~2本入らずに脇にそれてぐしゃってなるんだ。何度試してもそうなる。あれは本当に腹立たしい経験であった⋯。