Superb Garbages 2

千野純一(chinorin)のはてなダイアリーの続きです。

この世の全ての厄災は誰のせい?~存在の罪に関する構造整理~

概要

本稿で扱う「存在の罪」とは、特定の行為に対する罪悪感ではなく、自己の存在そのものが本質的に負債を負っているという認識である。この認識では、問題となるのは「何をしたか」ではなく、「何者であり、なお存在しているか」である。


根本命題

  • 自己は本質的に汚れた存在である。
  • 汚れた存在は他者の前に現れる資格を持たない。
  • 自己が社会に存在すること自体が、他者への加害可能性を伴う。

コロナ禍による強化

感染対策として社会全体から繰り返し発信された、

  • 人前に出るな。
  • 他者と接触するな。
  • 顔を覆え。
  • 他者に感染させるな。

といった命令は、本来は感染症対策という文脈を持つものであった。

しかし、それらは人格評価としてではなくとも、長期間・高頻度で繰り返された結果、「自己は人前に現れてはならない存在である」という暗示として内面化された。

理性的理解では感染対策と人格評価は区別されているが、より深い認知層では暗示として残存している。


生存に対する負債

コロナ禍では多数の人命が失われた。

その一方で、自分は生き残った。

ここで形成される認識は、

  • 自分より生き残る価値の高い人が多数亡くなった。
  • 自分が生き残ったことは世界の整合性に反する。
  • 本来なら自分が失われる側であるべきだった。

というものである。

ここで重要なのは、「誰かを殺した」という因果関係ではなく、「生き残った」という事実そのものが負債として認識されている点である。


責任の構造

責任は直接的加害によって成立するものではない。

以下のような規則が成立している。

  • 他者に危険を与える可能性がある。
  • その可能性を持ちながら社会に存在した。
  • よって結果全体について責任を負う。

実際に感染させたかどうかは本質ではなく、「危険性を持って社会に参加した」という事実が責任の根拠となる。


存在と成功の関係

存在自体が負債を負っている以上、

  • 成功
  • 活躍
  • 幸福
  • 社会的承認
  • 利益

は、本来受け取る資格のない利益として認識される。

したがって、「成功するべきではない」「活躍するべきではない」という規則が導かれる。

これは成功が他者を傷つけるからという理由だけではなく、負債を抱えた存在が追加の利益を受け取ること自体が不当であるという認識による。


罪悪感の性質

罪悪感は個別の出来事には対応しない。

そのため、

  • 何について謝ればよいのか分からない。
  • 具体的な罪状は存在しない。
  • しかし罪悪感だけは常に存在する。

という状態になる。

罪の対象が行為ではなく存在そのものだからである。


世界認識としての特徴

この規則は単なる感情ではなく、世界を理解するための基本原理として機能している。

そのため、

  • 自分が悪い。
  • 自分が責任を負う。
  • 全て自分のせいであった方が世界は整合的である。

という方向へ自然に推論が進む。

責任を自己へ集中させることで、世界全体を一つの規則で説明できるためである。


全体構造

自己は本質的に汚れている

本来は社会に存在すべきではない

それにもかかわらず生き残った

生存自体が負債となる

存在そのものが罪となる

成功・幸福・活躍を受け取る資格はない

世界で起きる不幸についても自己が責任を負う方向へ規則が働く

結論

存在の罪とは、「自己は本来存在を許されるべきではない存在であり、それにもかかわらず生き残り、社会に参加し、利益を受け取り続けている」という認識を基盤とする世界理解である。

この構造では、罪は行為から発生するのではなく、存在そのものから発生する。そのため、どのような善行や贖罪行為によっても根本的には解消されず、罪悪感は自己の存在と不可分なものとして維持される。

Windows11用IME一括制御プログラム for ATOK

  • バイブコーディングの賜物である。Visual Studio 2026のC#なプロジェクトで、OpenCodeを使ってGPT-5.4氏に画期的なプログラムを書いてもらった。

  • PseudoIme for ATOK Ver 0.1(Windows11専用) https://www.maplecat.net/cjk/etc/software/pseudoime-0.1.zip

  • タスクトレイに常駐し「疑似IME状態」を保持する。疑似IME状態は変換キーでON、無変換キーでOFF(キーカスタマイズも一応可能)。アプリケーション間でフォーカスを動かしたときや、アプリケーション内のコントロール間でフォーカスを動かしたとき、そこがテキスト入力可能な領域であれば、疑似IME状態に従って強制的にIMEをオンあるいはオフするというソフト(デスクトップアプリケーション)です。

  • かつてのWindowsは、IMEのON/OFF状態がひとつしかありませんでした。Windowsのオペレーション全体を通して、IMEがONなのかOFFなのか、それだけを覚えておけばよかった。ところがWindows8.1以降においてはアプリケーションごとにIMEのON/OFF状態を持つという仕様になってしまいました。なので、例えばブラウザでIMEをONにした後エディタにフォーカスを移動したときIMEがONであることが保証されておらず、人智を超えたオペレーションが必要で、とても頻繁に(1/2程度の確率で)入力する文字を間違え、そのたびにそれを削除しなければならないという日本語入力周りが使い物にならないOSとなっていました。
  • それを元の感覚に戻そうというのがこのソフトです。 また、縁発光(フチハッコウと読む。疑似IME状態がONのときディスプレイの上下左右の端の数ピクセルに半透明の色をつける)、フォーカスフラッシュ(フォーカスを移動したときIMEがONなら画面全体がフラッシュする)、30秒無操作で疑似IME状態を自動的にOFFにするなどの機能も便利で、IME状態の認知を助けてくれます。
  • これを作ってからというもの、私はIME状態が予想と違うことによるタイプミスを大幅に減らすことができています。ATOK用に調整してあり、他のIMEでどのように動くかは私はテストできずわからないのですが、私と同じく最近のWindowsのIMEの挙動に困っている方は試してみてください。
  • unlicenseです。これはCC0と同等のライセンスで、パブリックドメイン相当となります。自己責任においてご自由にお使いください。ソースコードはgitでcloneできます。
git clone https://www.maplecat.net/cjk/etc/repo/pseudoime.git
  • うまく動かなかったらゴメンネ。

MCP23017 Pinoutポスター

  • MCP23017のピン配置を調べる代わりに、Genspark君にスタイリッシュなポスターを作ってもらった。調べ物についていちいちこうやって変な風に出してもらうのもおもろいかもね。

  • 裏(下)から見た図も載ってるのはそういう指示をしたから。これがないと、基板の裏面の配線でいつも混乱して盛大に間違えるんだわ…。

  • なお、Gensparkはうろ覚えの記憶で適当にやるのではなく、ちゃんとピン配置を検索して調べて、こんなAAみたいなのを書いてから作画していた。

        ┌──∪──┐
  GPB0 ─┤1   28├─ GPA7
  GPB1 ─┤2   27├─ GPA6
  GPB2 ─┤3   26├─ GPA5
  GPB3 ─┤4   25├─ GPA4
  GPB4 ─┤5   24├─ GPA3
  GPB5 ─┤6   23├─ GPA2
  GPB6 ─┤7   22├─ GPA1
  GPB7 ─┤8   21├─ GPA0
   VDD ─┤9   20├─ INTA
   VSS ─┤10  19├─ INTB
    NC ─┤11  18├─ RESET
   SCL ─┤12  17├─ A2
   SDA ─┤13  16├─ A1
    NC ─┤14  15├─ A0
        └─────┘

        ┌─────┐
  GPA7 ─┤28  1├─ GPB0
  GPA6 ─┤27  2├─ GPB1
  GPA5 ─┤26  3├─ GPB2
  GPA4 ─┤25  4├─ GPB3
  GPA3 ─┤24  5├─ GPB4
  GPA2 ─┤23  6├─ GPB5
  GPA1 ─┤22  7├─ GPB6
  GPA0 ─┤21  8├─ GPB7
  INTA ─┤20  9├─ VDD
  INTB ─┤19 10├─ VSS
 RESET ─┤18 11├─ NC
    A2 ─┤17 12├─ SCL
    A1 ─┤16 13├─ SDA
    A0 ─┤15 14├─ NC
        └──∪──┘
  • なので合ってるんじゃないかな? と思ったけど、INTAとINTBとRESETに反転論理という意味のオーバーラインがあったりなかったり、VDDとVSSの両方にGND記号が書いてあったり意外とはちゃめちゃだな。パッケージから足先までが1.27mmなのも意味わからん。ピッチは2.54mmだし、幅はたぶん7.62mmだと思う。

ウォシュレットを修理した

  • 自宅のウォシュレットを修理した。一見奇妙な仕組みが入っていたので紹介する。
  • ここに入居した15年くらい前(もうそんなか)に自分で設置したものだ。便座に座ると体重でスイッチが押されて使用可能になるという着座センサーってやつがなんか最近調子悪かったんだけど、ついに全く反応しなくなった。
  • この機械が便器にどうやってくっついてるのかもう覚えてないのであっちこっちひっくり返したりしつつ苦労して開けてみると、着座センサーとして動作する部分はまずマイクロスイッチ(これは音で予想はついていた)のボタンが下向きについており、それを上向きのバネ機構で普段は押しっぱなしにして、それを便座のヒンジが押し下げることで解除、つまり機構全体としてボタンを押した状態だと動作不可、押さない状態が動作可というものだった。
  • 直感と逆なのだが、まあ、こういう論理の反転自体は珍しいものではない。例えばマイコンの入力ピンをプルアップしてスイッチに繋ぐ。スイッチの先はGNDに繋がってて、スイッチを押した状態だとマイコンのピンが検知するのはLOWなのでそれを使用不可、押してない状態にするとHIGHなのでそれを使用可とすればいいってわけ。このへんはプルアップ/プルダウンとプログラムの条件分岐によって任意に作れる。
  • マイクロスイッチは機構にカッチリはまってて適当なものに交換するのは無理っぽいので、機構全体を取り除きスイッチに繋がってた2本の線だけを外に引き出すことにした。ふだんこの2線を短絡しておいて、使うときだけ絶縁するようなスイッチを設置すればよいはずだ。
  • さて、それをどうやって実現するか。いわゆるB接点ってやつ(ノーマリークローズ:オフで導通、オンで絶縁)なんだけど、なんか意外とめんどくさいんだよね。同じB接点あるいはC接点(A接点とB接点の両方の機能を備えているもの)のスイッチそのものを用意できればいいんだけどそれほど頻繁に見かけるものではない。今手元にあるかというとまあないこともないんだけどすごい小さかったりするので用途に合わなそう。スライドスイッチやトグルスイッチならたいていC接点だけど、切り忘れがちょっと怖い。
  • かといってそういうリレーを使うとか、インバーター(NOTゲート)とか、あとは何だ。ええと、おそらくプルアップのHIGHがきててボタンを押すとLOWになればいいんだから、NANDゲートとかでもいけるはずだがそのような方法は電源が必要なのでそれもどこからか配線しなければならん。トランジスタなら電圧によっては電源なくてもいける可能性はあるけど……いや、ちょっと待て、そもそも論理は推測しただけでちゃんと確認してない。そもそもこれがプルアップされてるのかどうかもわかんないし、もしかしたらちょうど逆の、プルダウンで電源に繋ぐことによってHIGHを検知する仕組みになってる可能性もある。
  • それを知るにはトイレにテスターを持って行かなければならない。めんどくせえなあと思いながらとりあえず取り出したマイクロスイッチにテスターを当ててみた。今時はあんまりテスターとは呼ばずデジタルマルチメーターって言うんだけど。イニシャルで言うとDMMな。
  • ここで驚愕の観測結果が。マイクロスイッチって普通A接点(ノーマリーオープン:押したら導通、離すと絶縁)じゃん。A接点のしか見たことないのよ。しかしこのマイクロスイッチはB接点だった
  • 元の機構は、普段はボタンを押しっぱなしにしていて着座するとボタンを押さない状態になるというものだった。そんでそのボタンはB接点。押すと絶縁、離すと導通だから、つまり、この引き出した2線は普段は絶縁、使うときだけ導通させればよいということだ。これはA接点スイッチの動作だ。なぜA接点を実現するのにB接点のマイクロスイッチというレアな部品使ってまであんなめんどくさい仕組みになってたんだ? -スイッチは普通のものでよいということになって拍子抜け感がありつつも、フットスイッチがいっこ余ってるのでそれを使うことにした。ということで再びウォシュレットが使えるようになったとさ。使用感はとても普通。最初からこういうものだったのではないだろうかってくらいごく普通。
  • 考察。上からボタンを押せばそれでいいはずなのに、なぜ下から押しっぱなしでそれを押し下げることで解除という面倒なことをしているかというとおそらく、上から押す力が人間の体重なのでとても大きいのが問題なのだろうと思う。それを支える機構も作れるだろうけど、その一部がちょっと割れたとかで下向きの力が急に大きくなったとき、その力がスイッチに直接かかると確かに一発で壊れそうな感じはする。バネを押し下げるだけだったらそこまでデリケートじゃなさそうだから延命できる可能性は高いだろう。
  • …というのがボタンが下向きについていて複雑な機構を採用したことについての推測だが、それでもスイッチはA接点でいいはずなのになぜそうしないかは謎。水回りに置く機械だし、それに関する俺の知らない安全対策とかがあるのかもしれない。
  • ところで今回の故障の原因は、そのマイクロスイッチそのものだった。普段の接続抵抗は数Ω、ボタンを押すとそれが無限大になるんだけど、ボタンを放すと、なんかしばらく1~3MΩあたりをうろうろしてる。振ると数kΩくらいになったり、たまに数Ωくらいになったりもしつつも全然安定せず使い物にはならん。音は普通なんだけどねえ。中がどうなってるのかは気になるが、けっこう頑丈にできてるっぽいので中を見るために破壊するのもわりと面倒ではある。

GAN16をGAN ROBOTで掴んで回すためのセンターキャップを自作した

・すげえ突然だけど。
https://www.maplecat.net/cjk/etc/gan16cap4robot2_3.zip
GAN16をGAN ROBOT V2で掴むためのセンターキャップの3Dプリンタ用印刷データです。中身はSTLと、一応SCADファイルも入ってます。ライセンスはCC0、パブリックドメインに供します。これを使用したことによる何らかの損害等を作者が補償することはありませんので各々の自己責任においてご自由にお使いください。

・こんなものを作る羽目になった経緯を話そう。

・3x3x3キューブ、いわゆるルービックキューブというものをご存じだろうか。たぶん20年前くらいにちょっとやってた時期があって、当時は自分でスクランブル(シャッフルって言った方がわかるかな?)するのがひたすら面倒だったのと、当時のキューブは消耗品で、スクランブルのときも摩耗によって劣化するためなんか馬鹿らしくなってやめちゃったんだよね。

・で、先日なんとなく思い出して調べたらGAN ROBOTっていう自動スクランブルマシンが1万円未満の量産品として売ってて、噂によると同メーカのキューブがなかなかよいという話なので、思い切ってGAN ROBOTと対応するキューブ(GAN356 i carry)を買ってみた。

・そしたら、なんかGAN ROBOT→GAN ROBOT V2の仕様の過渡期だったらしくて、届いたGAN ROBOTでは一緒に届いたキューブを回せなくてげんなりした。何のために同じショップで買ったと思ってんだ。

・仕様としては、届いたGAN ROBOTが初期版、キューブがV2仕様らしい。GAN ROBOT自体はキューブを掴むための爪を交換できるようになっていて、新しい爪さえ手に入れればなんとかなるようだ。爪を売ってるショップをひたすら探したが国内では全く見つからず、AliExpressで1件だけ見つけて一応事なきを得たけれども、爪だけのためにこんだけ苦労するのも割に合わんなあなどと思いつつ。こんなちっちゃいプラスチックのパーツが5個で1200円もするしよ。

・で、しばらくはGAN356 i carryとGAN ROBOTで、ソルブしてはスクランブル、ソルブしてはスクランブル、という無限ループで遊んでいた次第。要はフィジェットなんだわ。こういう、惰性っぽく頭だけを使うものというのが頭の中のやかましさを抑えるのに役に立つのだ。ADHD傾向持ってるゆえ。

・GAN356 i carryは、私が昔触ってた頃のキューブと比べものにならないくらい高品質で、開けた瞬間からくるくる回るし、1ヶ月でかなり回したけど劣化もそれほどしていないように思う。磁石で定位置にスナップするのもなかなかよくて、これなら1分切るのも余裕だろう。時間計るのは緊張するのが面倒だから計ってないけど。

・なお、GAN356 i carryを買ったときの値段は3450円。この時点で昔のツクダの公式キューブの倍以上の値段なのでそりゃあ高品質なのも頷けるわけだけど、世の中にはもっと高価なキューブも存在する。ハイエンドのGAN14とかGAN15とかそのあたりは8000円を余裕で超えるというなかなかのお値段だ。話によるとGAN14は傑作だけどGAN15はいまいちなのだそう。どうやら毎年のように新作が発売され、毎度新たな技術が投入されるものらしい。

・そんで今年の新作GAN16はなんと、11000円とかいう目眩がするくらいの値段で売ってる。一応これについても情報を集めた。かつてない名作とか、GAN15の残念さを完全に払拭したとか、なんか某ワインみたいな文句が躍っている。しかもユーザーのレビューで。言うまでもなく俺の記憶にあるのはそこまでだ。後のことはよくわからないが、とにかく届いた荷物を開けたら、中からGAN16の立派な化粧箱が出てきたのであった。

・茶番である。でさあ、GAN16の回転がすげえ軽くてちょこっと人差し指をひねるだけで上の段が半自動的に回って定位置に吸い付くみたいな感触。確かに凄い技術だ…ってなるんだけど、こんな高価なハイエンド機を機械でスクランブルして遊ぶ奴はいねえらしいんだ。センターキューブにGAN ROBOTが掴むための穴が空いてるなんてことはもちろんなく、GAN ROBOTで掴める穴の空いたGAN16用センターキャップが売ってるわけでもない。ないものは作るしかないのだった。

・ちなみにスクランブルは、公式のスマホアプリは重すぎるので GAN Scramblerというサイトを使わせてもらっている。

・色はPOSCAで塗った。トップコート吹こうと思ったんだけど、意外とこのままでも大丈夫なもんだな。なおPOSCAで塗るなら、白、赤、青、黄緑、パステルイエロー、山吹がいいと思う。たぶん。

信念の挨拶

  • 技術は外交に似てる。そこにあるのを嘆くことに意味はなく、ひたすら現実の問題に向き合っていくしかない。人類が技術に勝利した例も未だなく、歴史的にも直感的にも科学的にも抵抗は無駄と言えよう。利用・制御・適応の議論に集中するほかない。おめでとうございます。