Superb Garbages 2

千野純一(chinorin)のはてなダイアリーの続きです。

ついにAC100Vを触る日が来てしまった?

・AC100Vは二度と扱うまいと思っていたのですよ。とにかくACアダプタとか安定化電源とか市販品を買ってですな、ブリッジダイオードとか高耐圧コンデンサとか、ヒューズやポリスイッチなんかは手に取らない。ましてやダイアックやトライアックが必要になることなんてないだろう。そう思っていた時が私にもありました。

・うちで使ってたLED電球が壊れたんですわ。そしてソケットから取り外したLED電球を見て、これ、自作するべきだよなあ、と思ってしまったわけでして⋯。

機械的にも破壊して口金だけ流用するとして、ソケットに来てるのは当然AC100V。一応、ポリスイッチで過電流保護→コンデンサで降圧→ブリッジ→コンデンサで平滑化→ツェナーダイオードでさらに降圧→3端子レギュレータでさらに降圧→DC3.3V→3WパワーLEDというのを考えているが本当に上手くいくのかは全くわからん。特に交流の電流値ってどうなってるのかぜんぜんわかんねーというか考えるのがめんどくせえ。w

・なので、それがだめだったとき用に念のため、ブリッジしたDC100V(MAX141V)でそのまんま使える定電流ダイオードとかも用意しておく。が、定電流ダイオードが出してくれる電流はパワーLEDを光らせるには心許ない感じはある。並列にたくさん繋げて合流させてもいいけど、それでも充分じゃなさそうな。

・なんかせっかくLEDなんだから、ブリッジしないで60Hzの交流のまま光らせたい(本当は点滅してるんだけど人間の目には常時点灯しているようにしか見えないってやつ)感じもするんだけどね。

・ちなみに名古屋は60Hzです。「東日本は50Hz、西日本は60Hz」の覚え方でいいのがあったので紹介しておきます。西高東低

・ちなみにその2、ブリッジダイオードってこんなやつ。普通のダイオード4本が特徴的な形で入ってるだけの部品です。この構造は中学校くらいで習った記憶が朧気にある。
f:id:chinorin:20211203030449p:plain

・左側AC INの2つの◯にはコンセントからのAC100Vを接続し、右側DC OUTの2つの◯には負荷(動作させたい何らかのパーツ等)を接続します。AC INの2極は(この回路では)区別しないのでどっちをどっちに繋げてもいい。DC OUTは上がプラス、下がマイナスです。

・ほんとにちんぷんかんぷんな人のためにここから説明するけど、家庭のコンセントや電球用ソケットまで来ているのはプラス極とマイナス極が1秒間に60回(東日本は50回)入れ替わるという交流(AC)方式の電源です。電気はプラスからマイナスの方向へ流れるので、ひっきりなしに行ったり来たりしてるわけですな。なお100Vというのは実効値ってやつで、波形は最大141V(実効値×\sqrt{2})~最低-141Vのサイン波です。

・つーわけでコンセントに繋いだ左側のAC INは「上がプラス/下がマイナス」「上がマイナス/下がプラス」という2つの状態が1秒間に50or60回切り替わるんですが、どちらの場合であっても、真ん中の菱形に書いてある矢印の通りに(それぞれ一方通行です)、プラスから出てきた電気は右側のDC(直流)のプラス極へ流れます。負荷を経てDCマイナス極に戻ってきた電気は、矢印の通りに、ACの現在マイナスである方の極へ流れます。

・極が切り替わっても(通る矢印は変わりますが)ACから出てきた電気はDC OUTのプラス極へ流れてマイナス極から戻り、ACの現在マイナスである方の極へ流れるのは変わりません。

・以上、交流を直流に変換できました! というわけ。そのままだと波形はガッタガタだけどな。

f:id:chinorin:20211203064958p:plain:w400
AC100Vがこんな感じの波形だとすると、
f:id:chinorin:20211203065032p:plain:w400
ブリッジダイオードを通すだけだとこんな感じになる。

・あと、ぜんぜん高くない部品なのでトライアックとダイアックも買っといた。トライアックとダイアックのコンビネーションは超おもろいというか、よくこんな風に交流の波形を切り落とすことを思いついて、よくそれを実現する仕組みを発見したもんだなあと。端的に言ってすごい発明だと思う。

・ダイアックって「反転入力の値が固定の簡易コンパレータ」みたいな動作をするんだけど、もっぱらAC100Vで使うものなのでその固定値が33Vとかなんですわ。これが2Vくらいのがあったらそれはそれでなんか使えるような気がするんだがどうだろうか? ん? そんなのツェナーダイオード(+トランジスタとか)でいいのか?

・ん? ツェナーダイオードじゃなくてわざわざダイアックを使うのはなぜだ? 降伏前の漏れ電流の具合が悪いか、あるいは双方向の特性が一緒じゃないとだめとか⋯? いやでも双方向ツェナーとかあるよなあ。ダイアックの電圧電流比のグラフのおかしな線がポイントなんだろうけど、でも結局ダイアックが導通したらその瞬間にほとんどの電流は別経路でトライアックに流れていくわけだよね。それをするのにダイアックのあの変なグラフの線が必要ってことなのかな。


・つー感じでAC100Vを扱うためのパーツをなんとなく揃えたわけだが。でもトランスは高いから本当に買いたくないんです⋯。AC-DC変換は絶対に非絶縁しかやらんぞ。これはフラグではない。繰り返す。これはフラグではない。