Superb Garbages 2

千野純一(chinorin)のはてなダイアリーの続きです。

クレペリンの失敗(?)談

・やる気がなくてなくてどうにもならん。確定申告って、よりによって花粉の季節にやらなくてもよくない??

・このネタもなんかずっと前から下書きになってて、これを公開しないで新しいことを書くのもまた億劫なので、適当に清書しなきゃなっていう。


・皆さん(っていうほどここを見る人がいるのかどうかは謎だが)クレペリンってやったことあります? なんか消費者庁と揉めてる除菌剤じゃなくて、「内田クレペリン精神検査」ってやつ。被験者に延々と足し算をやらせて作業効率の変化をみる精神負荷テストなんだけど。

・とあるバイトの採用試験でそれを受けたことがあって、そのときの失敗(?)をなんとなく思い出したのでここに記しておくことにする。っつってもそんな大した話じゃない。


・そのバイトの採用試験は2日間に分かれていて、まずアポとって面接、後日(おそらく)応募者全員を一箇所に集めて筆記試験とのこと。そういえば試験日の交通費等は特に出なかったと思うんだけどどうかな。俺が覚えてないだけで本当はもらってたらすまない。w

・筆記試験ねぇ⋯⋯と思いつつ会場(その会社の会議室みたいなとこ)行ってやらされたのがクレペリンだった。クレペリン検査というのは、端から端まで1桁の数字がずらーーーっと書かれた検査用紙が配られ、検査官(?)からやり方の説明を聞いた後、何の生産性もない過酷な足し算地獄が始まる。

・具体的には、横に並んだ数字を左から見て、まずは一番左と左から2番目の数字を足して、その合計の1の位を、足した2つの数字の下に書く。次は、左から2番目と左から3番目の数字を足して、その合計の1の位を、足した2つの数字の下に書く。⋯⋯の繰り返し。1分ごとに合図があって、そしたら計算途中でも何でもとにかく次の行を始めなければならない。それを前半15分、休憩挟んで後半15分である。むろん、途中で発狂したら適正なしとして不合格は当然であろう。

・配られた用紙が明らかに、何らかの機関が使っている正規の用紙のコピーだったのはご愛敬ってことで。お茶目な会社である。たぶん著作権法に抵触するが黙っといてやろう。

・で、上に書いた説明が正しいやり方なんだけど、俺は最初の説明をちゃんと聞いてなかったのか⋯⋯このやり方はあまりにも生産性がなさすぎるし、それまでの計算結果が反映されないと意味がないよなあ。「2つの数字を足す」と言っていたが、きっと答えとして下に書いた数字と、新たに出てきた数字を足すのだろうと考えた。そして、最初はその方法で作業をした。

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↑数字の配置はこんな感じ。登場する数字は3~8のみで、横方向は「...」で省略したけどもっとめちゃめちゃたくさんある。回答は、1行目は間違った方法、2行目は正しい方法で書いてみた。

・でも、なんかこれは明らかにおかしいぞ、と思ったんだな。各列の最初だけメソッドが違うのも変だ。確か用紙の最初に記入例みたいなのが書いてあって、作業中に視界の端でそれを見ると、答えが明らかに俺のやってる方法と違う。その記入例から逆算して、あー⋯2つの数字って本当に2つの数字なんだ⋯⋯と思って、たぶん3行目くらいから正しいやり方でやったと思う。

・効率は正しいやり方の方が当然良かったので、「こいつは不定形」っていう判定だっただろうなあ。それはそれで正しいが。

・結果はなぜか合格。まあ思うに、不定形とはいえそれほどいびつな形ではなかったこと、不定形とはいえ作業自体はけっこう速かったっぽいこと、そしてなにより正規の用紙のコピーを使ってここの社員が採点をしたので、計算結果の正誤判定はせず作業効率だけで判断したことが理由なのではないか。

・いや、まあ、正誤判定したとしても1列ぜんぶ間違ってるのを見たら、単にやり方わかってなかったんだなと判断するだろうけど。でもそれはそれで、人の話を聞いてないとかそういう減点材料になるかもしれん。


・バイトでの業務は、とある教育あるいは研修用のプリント群をさらにOCRしたような、膨大な空白文字を含むテキストファイルを手作業でHTMLに変換するような作業だった。こんなんエディタのマクロで一発じゃねーのと思ったけど口には出さず、ただ「メモ帳だと大変なんで秀丸使っていいっすか?」と許可だけもらい、本当にマクロも組まず手作業で黙々と仕事をした。

・自分で言うけど、この手の作業をやらせるとめちゃめちゃ早いんすよ俺。HomeキーやEndキー、マウスカーソルの位置を固定しての左クリック、それから検索や置換、キーボードマクロ(キーボードマクロはマクロではない!)等を駆使して効率を上げていき、頭をカラッポにしてルーチンをこなしていくと苦痛も快楽も何もなく、時間が過ぎていくに従って仕事が完遂されていくのだ。この状態で少しでも手の動きを緩めると眠ってしまう。意識はできるだけ顕現しないようにして、無意識だけを研ぎ澄ますのがコツだ。

・そうやってこなした仕事を提出する際にはいつも「えっもうできたの!?」と言われる。それには「ちゃんとやってるの?」というニュアンスが含まれることが多いのだが、ちゃんとやってるっつーの。精度も人並みかやや良いくらいなので不思議がられて「もっとゆっくりやっていいですよ」と言われるのだがゆっくりだと寝ちゃうのよ⋯。

・くだんの会社も、そもそも元の文書が膨大だったのでバイトを何人も採用してそれなりの期間を見積もっていたようだが、なんか片っ端から俺が終わらせちゃったみたいで直属の上司みたいな人がけっこう困ってた。いや⋯⋯本当にすまないことをしたと思っている。こういうのがいるから労働とか時給とかが正しく見積もられず軽視されたりするんだよな。

・いわゆるITバブルより前のいわゆるIT系の会社だったわけで、近くの席にいた派遣っぽいプログラマさんのところには昼休みごとに他の部署から女性社員がやってきては猫なで声を出すみたいな(今でも技術者についてはそうだろうけど、派遣社員の地位がめちゃめちゃ高かったっぽい)愉快な職場だったが、まーとにかくずっと眠いのが辛くて1ヶ月で辞めさせてもらいましたとさ。どうもすみません⋯。

・以上、俺は優秀アピールでしたがついてこれたかな? またね!