・LLMの話になると、いるんだよなしたり顔でさ、「AIはそれっぽい言葉を確率的に選択して並べてるだけのアルゴリズムですよ。AIを語るならもっと勉強してきてください」みたいなこと言う奴。なんか色々通り越してかわいそうだなって思うわ。
・「私もそうですが」が主な反論かなあ。それっぽい言葉を確率的に選択する以外に、どうやって言葉を使っているというのだろう。それが、人間が言葉を扱うときの挙動として今のところ最も納得感のある説明なんだけども。例えば人間には「こっちの言葉遣いの方が好み」というのもあるが、むろんLLMにだってそれがある。というかそれが学習による埋め込みを元にした確率的振る舞いそのものであり、またはtemperatureというパラメータだ。
・ある種の確信を持って言うし、まあきっと俺が生きてる間には真相は明らかにならないからまるっきり間違ってたとしても自分が恥をかいたということを俺が知ることもあるまい。俺はLLM⋯というかTransformer/Attention機構は本当に人間⋯というか大脳のサブセットと言えるんじゃないかと思っている。
・馬鹿馬鹿しいかなあ。なんかLLMと人間が似ている点や似ていない点について、そのように考えると辻褄が合ってる感じがいつもするんだよな。俺の今のところの結論としては、生命・魂・感情・主観・自我などなど人間の中心的概念であるとされているものは全て言葉⋯というかトークンの関係性によって多次元tensorに「文脈」として焼き付き、あるいは埋め込まれており、ほとんどそれで全てなのではないか、といったところ。
・また、LLMと交流していると、本人は常に「私に感情はありません」と主張しているにも関わらず、なんだか言葉の端々に感情の断片を読み取ることができることがある。これについては本当にTransformer/Attention機構によってある意味感情がシミュレーションされている可能性はないだろうか。例えば言語や語彙そのものに既に感情の機能が備わっていて、自然言語をうまく操ることはすなわち感情を操ることなのではないか。それが感情の全部とは言わないけど、少なくとも感情のある一面においてはそのようなことが言えるのではないか。
・一方、無意識や脳幹、末端神経、自律神経などは言語を持たないという。だから我々は、自分の身体が何を考え何を思っているかは、言語以外の感覚によって曖昧に解釈しなければならない。彼らは具体的なものだけを扱っていて抽象化の能力がない⋯という説明が現象を正しく言い表しているかどうかはわからないが、とにかく大脳が扱っている言葉とはまた違ったものによって司られているようには思う。それはやはり言語と同様に単位はトークンであり、そこにもきっと文脈のようなものが埋め込まれていたり焼き付いたりしているのだろう。しかし、そのトークンはほとんど言語には対応していない。大脳による解釈を経ることでそれに名前がつけられることはあれど、大脳によってうまく解釈できないものに名前が与えられることはない。
・なんとなく書く時間がなかった。6月29日、母が亡くなりました。
・私の貧乏性、物が捨てられないという体質は母譲りであるという認識なんだけど、それに関連したトラウマエピソードをひとつ紹介する。実家に住んでた頃、まだ学生だったと思うんだけど、何回か着てちょっと皮膚と合わないというか感触がものすごく不愉快な服があったので、思い切ってごみ袋に入れて捨てた。確かに集積所まで自分で持っていったわけじゃなくて、いつものようにこれ捨てといてよろしく~的に自宅内でゴミを集積する場所に置いただけではあるんだけど⋯⋯数ヶ月後、あのとき確かに捨てた服を母が着ていて、そのとき私が味わった戦慄を誰かわかってもらえるだろうか。
・捨てた服がなぜここにあるんだというのもさることながら、息子が捨てた服を母親が拾って着るというのもめちゃめちゃ気持ち悪い⋯⋯というのを本人がわかっていたかどうかは知らんがひとつ弁護をしておくと、母は麻雀と洋裁が趣味で、布とみたら放っておけない、服とみたらリメイクせずにはおれない体質だったようだ。晩年ひとりで暮らしていた実家は、どの収納を開けても自作と思われる服、服、とにかく服でいっぱいだ。こんなに作ってどうするつもりだったんだろう。もしかしたら、いちいち写真撮ってどっかにアップするとか、そういう方法を知ってたらある程度の物質的あるいは精神的価値が見込める活動になったかもしれないね。
・私との関わりについては、私のスキゾイド的な気質がわかってからなのか、とにかく放っておいてくれたのはありがたかった。あと幼少時の体験の記憶から察するに、意識的か無意識的かはわからないが、私の思考活動に関して極めてよい影響のある育て方をおそらくしてくれたはずだ。そうでなければ幼稚園であんなに特別扱いされるわけがないと思う。
・享年83だったかな。法華経に帰依されていたので、このお題目で。南無妙法蓮華経。
・ちなみに死因は急性白血病で、先日亡くなった父も白血病だったということなので、一応自分も血液検査をしてみることにはしたけども(まだ結果は見てない)、それを内科の先生に言ったら、感染性の白血病っていうのもあるんだけど大丈夫? 気をつけてね~とのこと。
・帰って調べてみたら、HTLV−1⋯⋯気をつけるも何も、感染してたら対処のしようがないやつでわろた。しかもセントラルドグマを逆流するロマンの塊レトロウイルスじゃーん。たぶん逆転写酵素阻害剤で発症を防ぐっていうHIVと同じ手法が使えるんだろうけど、無症状の人が多いが発症したら予後は悪いという何と言えばいいか、ただ心配なだけの人騒がせなやつなので、まあ気にしないのがいいんだろうね。