Superb Garbages 2

千野純一(chinorin)のはてなダイアリーの続きです。

真のテンキーレス

  • (PCの入力装置の)キーボードのカテゴリで「テンキーレス」というのがあります。ノートPCや省スペースキーボードなどで使われる、フルキーボードからテンキーを省いたキー配列のことですが。
  • なお今回掲載しているキーボードのイラストは https://sharotsillust.blogspot.com このへんからお借りしております。まずはこれがフルキーボード。


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  • 互換機――Windowsマシンで一般的に使われている「109日本語キーボード」ってやつです⋯⋯と思ったんだけどこれFnキーとかあってちょっと特殊だね。普通の109キーボードは、Fnキーがなくて右Windowsキーがあると思います。横幅は45cmくらいですかね。一番右のひとかたまりのキー群がテンキーと呼ばれているやつで、数字0~9とピリオド、四則演算子、それからNumLockとEnterの17個のキーで構成されています。
  • で、よく見かけるテンキーレスの配列は、大きく分けて2種類あります。まずはアローキー埋没型。(俺が勝手に呼んでる名前です)


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  • 横幅はキーの大きさや間隔によりますが、だいたい25~30cmくらいが標準的なサイズです(それより小さいものも大きいものもあります)。この長方形の中に全てのキーを押し込めるため、アローキー(別名「矢印キー」、あるいは古い呼び方だと「カーソルキー」)の上が右Shiftの左側に埋没しており、タイプミスが非常にクリティカルな動作を誘発したりして使いにくいったらありゃしない。カジュアルなタイプのノートPCはこちらを採用している例が多そうです。我ながら偏見じゃないかと思うが。
  • そしてもう1種類。アローキー独立型。


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  • アローキーをミスタイプから守るため全体が気持ち悪い形状になってしまいましたが、自然言語やプログラム言語を扱うようなタイピングの量が多い人はこっちの方が安全ではないかというのが持論です。我らがThinkpadもこの系統で、これに加えて空いているアローキー左上&右上に独立したPgUpキーとPgDnキーが配置されてるのがなかなか素晴らしいです。
  • ⋯⋯と言いつつ俺はこの2つのキーをHome/Endにリマップしてる。このへんは好みなんだろうけど、しかし右手がアローキーの位置にあるときにPgUp/PgDn的な操作をしたい場合は左手でTrackPointのスクロールを使えばいいと思うのよね。そもそもPgUp/PgDnって自分はほとんど使わないのに比べてHome/Endは死ぬほど使う(言い過ぎだが)し、そのときはほぼアローキーと併用するのでこの位置にあった方が絶対に便利だ。
  • ちなみに、上に例示したテンキーレスキーボードのイラスト2点でもそうなんだけど、ノートPCではHome/Endキーを省略しがち(Fn+アローキーというオペレーションを要求することが多い)だ。たぶん俺はそんなキーボードを使わなきゃいけない状況に追い込まれたら死んじゃう(言い過ぎだが)。というか俺はもうHome/Endがこの位置にあるキーボードしか扱えないのではないか。今までOSの仕様とかハードウェアの流行(これはノート内蔵のポインティングデバイスの選択肢がほぼタッチパッドしかなくなってしまったことを言っている。Thinkpadは数少ない例外である)とかによって「自分の身体の一部のようにPCを扱う」という感覚が得られる方法がどんどん少なくなっていき、今ではずいぶん自分の身体と切り離された存在になってしまったが、せめて自分とPCとの接触点が一番多いキーボードくらいはこのまま残しておいてはもらえないだろうか。もうしばらくかかるけど、せめて俺が生きてる間くらいは⋯。
  • っていうかThinkpad X1 Foldの標準キーボードはTrackPointくらい載せろ。ということで閑話休題
  • で、テンキーレスキーボードの大きさにも色々あります。特にノートPCにおけるものが顕著で、パネルサイズ(=筐体サイズ)の横幅が25~30cm程度のものであれば標準的なテンキーレス配列を採用すればいいし、もう少し小さいものについてはタイピングの快適さとサイズとのトレードオフになってしまうのは仕方ない。標準的な配列のままキーの横幅を狭めるか、使用頻度が低いとされるいわゆる「けめろむ」(右下の方にある4つのキー)とかその上の記号しか出ないキーとかをなんか左下とか変な位置に置くんだけど文句言うなよ小さいのを優先したんだから、でOKかなと。
  • 一方、それよりも大きなノートについては酷い状態だと思ってました。よくある実装が3種類あります。
  • (1)テンキーレス配列をそのまんまのサイズで真ん中に配置するタイプ。左右に大きな空白ができてみっともない感じはしますが、個人的にはこれが一番マシだと思います。
  • (2)テンキーレス配列をそのまんま配置するが、ひとつひとつのキーの大きさを横に広げるタイプ。単純にBackSpaceとかEscとかのキーがすごく遠くなって、これは本当に使いづらいです。もしかしたら欧米方面の方々とか、手が大きい人はこれでいいのかもしれないけど。
  • (3)テンキーレス配列をそのまんま左に寄せて配置し、右の余白にテンキーを配置するタイプ。これもけっこう問題があって、例えばPCが自分の正中線からズレるとかw、あと結局Enter周りとテンキーとの間に余白がなかったりするので、そういうのはタッチタイプに差し障りがあるんですよね⋯。小指は不器用なので、できればEnterの右側には意味のあるキーを置いてほしくないです。(たまにテンキーレスでEnterの右側にHome/EndやPgUp/PgDnを置いてるやつもあるけどあれも苦手、というか怖い)
  • さて、突然ですが世の中のトレンドは何と言ってもゲーミング。何の意味もなく青く光ったりしてアホみたいですが、そっち方面の文化から素晴らしいテンキーレスキーボードが誕生しております。それがこういうやつ。



  • 貼っているのはAmazonアソシエイトで合法的に転載している画像です。どうっすかこれ。フルキーボードから本当にテンキー部分のみを切り落としたというただそれだけの配列なのですが、幅広のノートPCに搭載するキーボードってこういう系統でいいんじゃないでしょうか。というか、コロンブスの卵は自覚しながらもこう言わざるをえない。なぜ最初からこうしなかったのか
  • ノートPCのユーザ層拡大にも良さそうな感じがします。誰に言ってるのか自分でもさっぱりわからんが、ぜひご検討ください。よろしくお願いします。