- 最近カラオケ行く機会がちょこちょこと。
- 「瞳の中のファーラウェイ」というアニソンがありまして、久々にこれを(人が歌ってるのを)聴いて、倚音とかがとても多い変な曲なんじゃないかと今更感じたのでちょっと解析してみた。
- 結論としてはやっぱり、刺繍音と経過音以外の非和声音がこんなに多い曲は珍しいんじゃないかなあ。こういうのは知識のある人が丹念に設計したか、あるいは素人が作ったか(炎の転校生が代表的な例。Bメロの6m7という音は知識があるとなかなか作れないと思う)のどちらかだと思う。
- ■は著作権配慮の伏せ字(ひらがな)、その上段がアルファベットを数字に置き換えたコード(37は3の7th、67は6の7th)。下段の注釈はonmouseでも見れると思う。
1 7m 3m 6m 6m/5 4 5 1M7 2m7/5 もしも ことば■■■じだい■■ もっと■■■ みつめる■■ *1 *2 *3 *4 1 7m 3m 6m 5 4 5 1 いまは ■■■■■■■■■■■ ■■■■■■ ■■■■■■ (前行と同じ ) 4M7 3m7 6m あめのあ■■■にじをわたって よふけは■■■■■■■■■■ *5 *6 4M7 5 あつい■■■■■■■■■■■ あなたの■■■■ (前行と同じ ) *7 1 3m 6m 3m 4 5 (英文) はてしない ■■■うつすよ ■■■■もせず *8 *9 *10 *11 1 3m 6m 3m 4 5 (英文) ■■■■■■ ■■■■■■■ ■■■ゆくから (前行と同じ ) *12 (中略) 4 4m 37 67 2m 5 1 ■■ ひとり■■■ ■■■なんてほしく■■ ふたりな■ *13 *14 *15 *16
*1:最初の「も」は倚音。4にあたる音なんだけど、「しも」の3にはっきり解決するので全体のコードとしてsus4ではないと言える
*2:「ば」はシンコペーションで八分だけ掛留する。3mにとって9の音なので非和声音とは言い難い(つまりコードが3m9?)かもしれない
*3:「じ」は倚音。6mにとって4にあたる音
*4:「つ」はコードの変わり目のシンコペーションで経過音がそのまま次のコードでも経過音という珍しい形。4にとってはM7の音で、5にとっては6の音なので解釈次第でどちらも和声音にはなり得るが
*5:「わた」は4にとってM7→1の音だが、直前にオクターブ上のM7を使っている(「あめのあ」)ことで、転回形なのに非和声音に聞こえるという面白い仕組みがある
*6:「て よふけ」は休符を挟んで4ノートも続く経過音。経過している間に次のコードになってしまいそこでは和声音なので、経過音として解決する音は省略せざるを得ない形になっている
*7:「た」は、こういうのは一応経過音って言うのかな。コードが変わった小節の頭の非和声音で、しかもノートが長く(付点四分)強調されているのが面白い
*8:「て」は単なる刺繍音なんだけど、四分と長いからか特徴的な音に聞こえる
*9:「な」は倚音
*10:「つ」はM7の音なので解釈次第で和声音と言えるが、それが「すよ」という非和声音に解決(!!!)するのがものすごく変な構造。ここのコードが2mであるなら理解できるんだけど、ベースははっきり4。2m/4なんていう転回形も理論的にはあり得るが、このようにサブドミナントとして使う例をあまり見かけないと思う
*11:こちらは「も」が小節頭の経過音
*12:各コーラスは未解決のコード、しかもメロディも5にとって5の音で終わる。「ポップスに1はいらねえ!」と乱暴なことを某emitta先生が言ってたっけ
*13:「と」は4mにとって9の音なので、コードを4m9としてギリギリ和声音か
*14:「な」は………刺繍音がシンコペーションして次のコードでも刺繍音のままという面白い音。これもかなり珍しいと思う
*15:「し」は2にとって11の音だけどテンションノートというより倚音と解釈したい
*16:「な」も1にとって11の音で、掛留音と解釈していいのかな